つくることが生きる楽しみになりはしないか?ということ

「暇でやることがない」「暇なのがつらい」「暇で暇で…」と耳にすることがあります。仕事や子育てなどに奮闘している世代には羨ましいような話ですが、その時期を過ぎて、世話をする相手もいなくなり、身体も自由がきかなくなると、その場から動けない我が身の周りに持て余すだけの膨大な時間が取り巻いている…そんな感じなのでしょうか。

つくる相手がいなければ、料理だってやる気が起きないものだし、じゃあ本でも読めばと思うけど、目も悪くなっている。せめてこの人に趣味でもあったならどうなのだろう、とテレビを見る後ろ姿を眺めてみる…場所や人にしばられたり依存しなくて出来る趣味があったら良かったね…そう、縫い物とか!

実は会社で縫製スタッフさんに生産してもらっていた時に主力となってくださっていたのは70代の方達でした。もちろん馬力のあるミシンなど、道具はよいものを持っていましたし、経験も豊富でした。新しい素材や形などにいつも挑戦してくれていたのも彼女たちですし、これどうしたらいいですか?と逆に聞いて教えていただくこともありました。

生産・制作のための仕様書は細かい文字で書かれていて、柄の向きの指定にミシン糸の色指定(上下で色を違えることも)をはじめあらゆる注意書きがあります。もし、読み違えてステッチ1本でも間違って縫ってしまったら、返品されて縫い直しになります。文字が小さくて見えなかったとか、見落としていたとかは通用しないのです。

ある時、ふと疑問に思って聞いてみました。「70代でも、見えるんですか?」(すいません、本当に失礼なことを…)

もちろん目は悪くなっているけど、勘で大丈夫、ということでした。その時のお話が記憶に残っていて、以降、ほー、そうなのか、70代でもバリバリ読み解いて縫えるんだから、私にも出来ないはずはない!とことあるごとに自分を励まし奮い立たせています。

ポイントは勘所、であると思います。老眼がかなり進んでから本なりテキストなどを読みこなすのは難しいでしょう。だから、なるべく元気な時代から趣味を持っておく。ある程度自分で自在にできるところまで来ていれば、目や手先が衰えてきても、勘で乗りこなして行く。私も最近編み機を習い始めましたが、落ちた目を直したり、目を拾ったり、細かい仕事は結構キツイものです。長年毛糸に親しんでいたり、機械に慣れていたならば、いわゆる勘でなんとなく行けたのかもしれません。縫い物も同じことと思います。

子育てやお仕事に忙しい方も、その時期が終わってからでなくて、今から始められるのがオススメです。幸いなことにあげて喜んでくれる人も見せる相手も身近にいるのですから。そして、もしかしたら人生後半の暮らしも楽しいものになるかもしれません。さらにインスタなど、お披露目のためのSNSツールも持っていれば最強ですかね!

父が趣味で彫っていたもの。手でつくったものには癒されます。

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